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2007.11.24 (Sat)

性犯罪の履歴保有者の居住制限

Georgia Court Rejects Law on Sex Offenders - washingtonpost.com
State's Residency Restrictions Faulted
By Peter Whoriskey
Washington Post Staff Writer
Thursday, November 22, 2007
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2007/11/21/AR2007112102091.html?wpisrc=newsletter
報告されているジョージア州最高裁判決はこれ。
Mann v. Ga. Dep't of Corr., 2007 Ga. LEXIS 849 (S07A1043, Nov. 21, 2007)
性犯罪の履歴を有する者に対して、子どもの集まる施設(学校、教会、スクールバスのバス停等)から1000フィート(=約300m)以内での居住制限を課しているジョージア州法の効力を同州最高裁が否定した事例。
最近の風潮では、性犯罪の履歴保有者に対する制限を認めない判断は珍しいのでメモ。

だが、ざっと読んだところ、射程は狭い。
そもそも、二重処罰禁止原則やデュープロセスあたりを土俵に性犯罪履歴保有者の権利を検討したものではない。
そうではなくて、性犯罪履歴保有者が住居の立ち退きを命じられることを規制的収用(regulatory taking)として認定。
あらゆる子どもの集まる施設から1000フィート以遠に住居を探すこと自体が至難の業だが、本件は実際にそういう家を見つけて購入した後に、近所にchild care centerができて立ち退きを命じられた事例。このような場合の除外規定(他州の同様に立法にはある)がないことを裁判所は重視。
関連して、性犯罪の履歴を持つ者がどこに住んでいるかは誰でも分かる制度になっているが、そうすると第三者たる私人がそういう人の家の近くに子どもの集まる施設を作れば彼を追い出すことができることになることも問題視。州のポリスパワーを私人に委ねているのはけしからん、と評価しているのは興味深い。

但し収用として構成しているから、正当な補償が支払われれば立ち退き自体は正当化されると思われる。

また同様の地域における就労制限については(適用)合憲判断。

連邦憲法(第5修正)に基づいた判断だけど、連邦最高裁は上訴は採らないかな。


事案的に面白かったのが、この男性、結婚を契機に件の家を買っている。この奥さん、彼が性犯罪の履歴を持っていると知って結婚したのだろうか。なかなかに肝っ玉の据わったと言うか。
とは言え、彼はpredatorではないとされているようだし、実際に刑も軽い。それなりに年齢も行っていて自分で判断のできる相手と合意に基づいて、という所をふんじばられたのかも知れない(*1)し、そうだとすれば彼女もそれほどアブない男だとは思わなかったのかも知れない。(ひょっとすると、当の相手と結婚したというシナリオもあり得る。)

ここらへんからは、それなりに自己決定もできるハイティーンに対して何故規制をかけるのかという問い(*2)(*3)や、“性犯罪者”を特に取り出して事後規制を課す根拠は近代法の前提たる個人の自律モデルと緊張関係に立つのでは(*4)、といった方向に考えを巡らすことができるが、いずれ機会があれば。

【More・・・】

*1 判文では"taking indecent liberties with a child"と表現されている。
*2 自らの判断でsecually active(と英語では表現するらしい)に行動している"child"も少なからずいるだろうし。もちろん日本でここらへんにスポットライトを当てたのが宮台真司氏。
*3 大学に入ると、今度は避妊手段の提供が公衆衛生の問題になるんだってさ。
Big Rise in Cost of Birth Control on Campuses - New York Times
By MONICA DAVEY
Published: November 22, 2007
http://www.nytimes.com/2007/11/22/health/22contraceptives.html?ex=1196398800&en=7203714293f29be8&ei=5070&emc=eta1
「18歳解禁」って感じだね(笑)
*4 正当化が不可能とは、言わない。近代法の前提のほうを変更する、というのも選択肢としてはあってよい。真の問いは、そうしたほうがハッピーか、であり、近代法が何故そのような前提を採用したのかを(単なるドグマとしてではなく)前景化して考えることになる。
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