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2007.12.15 (Sat)

死刑:コスト論と弁護士費用

死刑の話になったので、関連する話を書いておく。
Capital Cases Stall as Costs Grow Daunting - New York Times
By SHAILA DEWAN and BRENDA GOODMAN
Published: November 4, 2007
http://www.nytimes.com/2007/11/04/us/04penalty.html?_r=1&th&emc=th&oref=slogin
コスト論との関係。
政府側が弁護士費用を支払う財源がカラになり支払えなくなったので、裁判官がトライアルを延期している、という話。
もちろん弁護士なしでトライアルをやれば上でアウトになるのは確実だし、弁護はadequateである必要があるからcompetentな弁護士である必要がある--そしてcompetentな弁護士であればしかるべきfeeを要求するだろう!
この事件は2005年3月に起きた、裁判所庁舎内での銃撃という当時話題を呼んだ事件だが、この記事執筆までに120万ドル≒1億3千万円の費用(恐らく大部分は弁護士費用)がかかったと報告されている。

若干のコメント:
・検察側が死刑を諦めれば費用の節約になる可能性が示唆されている。すなわち終身刑へ切り替えれば有罪を認めることを被告人側は持ちかけているが、検察側が応じていないとのこと。
もちろんこれは答弁取引(plea bargaining)の実務を前提とした話になる。答弁取引制度を前提とすると、コスト論の観点からは、死刑制度を維持したほうが終身刑になる可能性が高まるのではないか。

・それにしても、competentな(被告側)弁護士はかなりもらうんだな、の感。
ロースクールでdeath penalty clinicなどに人気が出るのも、単に「人権のために闘おう」といった純粋な動機に限らず、稼げるから、というのもあるのかも知れないと邪推。(*1)

・こうしたことが可能になる前提としての、連邦制の構造。
能力のある弁護士による弁護を含め、しかるべき防御の機会を与えないと、連邦のほうの裁判所でアウトにされる可能性があるから、州政府はしぶしぶながらも何とかしてしかるべき防御の機会を与えなければならない。

【More・・・】

*1 もっとも、このこと自体は否定されるべきではないかも知れない。しかるべきサービスを提供する者にはしかるべき報酬が与えられるべきだし、逆に個人的犠牲を前提としてシステムを組めば壊れるに決まっている。「アメリカ発祥の地でアメリカ法を思考する - で、誰をひっぱたくのか」*12参照。
【旧ブログコメント】
はじめまして
はじめまして。先日は私のブログにコメントありがとうございました。法学徒の方だったのですね。
死刑関連のエントリー、興味深く読ませていただきました。
コストと刑罰、「弁護はadequateである必要があるからcompetentな弁護士である必要がある--そしてcompetentな弁護士であればしかるべきfeeを要求するだろう」と記事にお書きのように、コストの件を細かくみればみるほど身も蓋もない話になりそうです。

2007/12/16(日) 14:03:31 | URL | 村野瀬玲奈 #6fyJxoAE
いらっしゃいませ
> コストの件を細かくみればみるほど身も蓋もない話になりそうです。
身も蓋もないからといって、フタをするのが一番よくない、というのが私の基本的な態度です。

実際上(in effect/effecitively)、コストの問題が死刑制度維持の最大の障害になるつつあるようです。
これには前提として、司法的判断の正当性をどこに求めるのか、という問いがあって私の関心はむしろそちらにありますが。

2007/12/17(月) 05:14:28 | URL | IZW134
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