2017年08月 / 07月≪ 12345678910111213141516171819202122232425262728293031≫09月

--.--.-- (--)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--:--  |  スポンサー広告  |  EDIT  |  Top↑

2008.01.11 (Fri)

アメリカの裁判官(の給料)とリーガル・サービス市場

最高裁長官による連邦司法部に関する年次報告書原文、裁判官の給料の話はほとんど年中行事になっている(笑)
まぁ、トップが司法部を代表して、他の政府部門に党派的にならずに言えることと言えば、自ずと職員の待遇の話になってしまうのは分からないでもない。(*1)
それでも例年に比べると大人しいとLinda Greenhouseは評しているが。

英米法の教科書にはどれも(法曹一元への憧憬をにじませつつ)、アメリカの裁判官は経験を積んだ弁護士から選任されることと、それ故のその地位の高さと集めるリスペクトについて書いてあるわけだが;
今や連邦裁判官よりもロースクール出たての一年目アソシエイトのほうが給料が高く、民間セクタからの裁判官のなり手がなかなかいない。
リスペクトについては未だ維持されていると思うが、給料を理由に裁判官を辞める人も出てくる状況。
The Value of a Judge - washingtonpost.com
It's more than Congress has been willing to pay.
Wednesday, December 12, 2007
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2007/12/11/AR2007121102004.html?wpisrc=newsletter

数年前、地元の弁護士の先生を演者として、法科大学院時代になって弁護士業務がどう変わるかという講演会があり、何故か主催者から私がコメンテータに指名された。

80年代半ば、当時ハーバードの総長であったDerek Bokが「日本の優秀な若者はエンジニアを目指すのに、アメリカでは弁護士を目指すから、こんなに国際競争力が落ちている」と(自らも弁護士であるにかかわらず)嘆いたエピソードを引きつつ、彼は、法曹人口の増加による訴訟社会化とそれによるビジネスや地方自治体他のサービス提供者(医者とか)の萎縮への懸念を表明した。
これに対して私は、先のエントリで挙げた例も念頭に、実際のアメリカ法の80年代後半以降の動きはプロ・ビジネス的だと言えることを指摘し、その原因を、法曹人口が十分に増加すれば原告側のならず被告側弁護士も増えていくことに求めた。

この解答自体は誤りだとは考えてはいないが、しかし、より大きな背景事情をスルーしていたか、と後になってから気付いた。

既にアメリカには100万人規模の弁護士有資格者がいるわけだが、その数の伸びは鈍ってはいない。ここ15年間、毎年4万人内外のロースクール修了者がおり、ロースクール自体の新設も、1990年以降23校が新たに認証されている。

個別に見ても、私が留学した当時でロースクールの授業料は高い所で年間2万ドル強といった感じだったが、未だ10年経過していないにもかかわらず3万ドルを超える大学はざらにある(*2)
この額3年間分(!)を吸収し得る給料を払う、弁護士マーケットとはどんなものなのか。

Derekの嘆きから現在までの25年間には、日本経済がグダグダになるのと入れ違いに、アメリカ経済が息を吹き返した90年代が含まれる。
90年代のアメリカ経済の復活についてはIT革命に言及されることが多い。
が、アメリカ経済が復活しても、アメリカ製造業が復活したわけでは必ずしもない。
90年代に起こったのは、アメリカの企業は中国に工場を立て、製品は専ら輸入するというシフト。
その過程で重要性を増したのが、コンサルとか、財務とか、ビジネスをデザインするビジネス。そのようなものの一つとして法務も位置付けることができる、今はそんな見立てをしている。
未だ仮説で実証はできていないが。

【More・・・】

*1 あと、裁判官の定員充足という話題もあるが、これは党派性なしというわけにはいかない。
*2 但し、授業料が上がっているのはロースクールに限ったことではなく、アメリカの高等教育一般がそうだ。
スポンサーサイト

テーマ : アメリカ合衆国 - ジャンル : 政治・経済

22:06  |  アメリカ法  |  TB(4)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

Comment

コメントを投稿する


 管理者だけに表示  (非公開コメント投稿可能)

▲PageTop

Trackback

この記事のトラックバックURL

→http://izw134.blog74.fc2.com/tb.php/37-86ed2861

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック

国際弁護士の給料

■推定給料・・・月125万円(30代後半) 国際弁護士の仕事内容 国際的な弁護を請け負うのが仕事。 例えば、日本人と外国人の間に起...
2008/05/29(木) 22:05:00 | 仕事給料ランキング

裁判官の給料

■推定給料・・・月50万円(30代後半) 裁判官の仕事内容 様々な事件の判決を下すのが仕事。 毎日数百件の案件に関わる、証拠や書類...
2008/05/27(火) 22:00:33 | 仕事給料ランキング

高等教育の授業料

先日のエントリで大学と寄付という話題に触れたので、書こうと思って書いていなかったネタ。 アメリカのロースクールの授業料はバカ高い。 ...
2008/05/18(日) 12:19:45 | アメリカ発祥の地でアメリカ法を思考する

大統領選挙:若者の政治参加

自分よりよく見ている人がいるだろうから大統領選挙についてはあまり書いてこなかったが; こちらで肌感覚で感じるのは、オバマ人気あるな...
2008/03/01(土) 16:03:04 | アメリカ発祥の地でアメリカ法を思考する

▲PageTop

 | BLOGTOP | 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。