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2009.02.27 (Fri)

Google Book訴訟和解案の基礎

日本の書籍全文が米国Googleブック検索に? 朝刊に載った「広告」の意味 - ITmedia News
2009年02月25日 18時05分 更新
「著作権に関する国際条約「ベルヌ条約」の規定により、日本で出版された書籍についても米国内で著作権が発生する。このため、米Googleと米国の著作権者との訴訟であっても、和解内容は日本の著作権者にとっても有効になる。」 http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0902/25/news089.html
この話は知財畑ではない英米法専業者にもワクワクするような面白いネタなのだが、これまでも訴訟をフォローしていなかったし生憎きちんとリサーチする時間がない。
「ちょっとここ論点だよね。どう処理されてるの」という点を確認すべしリスト、のみ。
アメリカ人は世界を代表する? - コデラノブログ 3
「これが米国内だけの問題ならばそれで済むのだが、日本も加入しているベルヌ条約により、この和解条件には日本の出版物も含まれることになるということのようだ。……
米国でのルールを平気で全世界に押しつけてくるあたりが気にいらんなぁ。」
http://blogmag.ascii.jp/kodera/2009/02/25215806.html
なぜこのような話が成立するかといえばもちろんアメリカ法にはクラスアクションがあるからで、専門家であればその点は踏まえている。
コラム・論文|骨董通り法律事務所 For the Arts
2009.2.10 (2009.2.22 一部加筆) 知財、メディア&アートの法務 第1回 「全世界を巻き込む、Googleクラスアクション和解案の衝撃」 弁護士 福井健策(骨董通り法律事務所 for the Arts) 「それを可能にしたのは、一部の者が共通点を持つ多数の者を代表して訴訟を起こし、訴訟の結果は利害関係者全体に及ぶという米国クラスアクションの制度である。元来、典型的なクラスアクションは公害被害者や薬害患者といった同じ原因による被害に苦しむ市民の救済策として機能する。救済を待ち望む人々が利害関係者であり、その数はせいぜい数千人から数十万人という規模の場合が多かろう。
しかし、ネットによる著作権侵害となると全く違う。Googleブック検索の潜在的利害関係者は全世界に1000万の単位で存在するだろう。その人々が自分でも気づかないうちにクラスアクションの当事者となり、和解によってGoogleは1000万単位の人々からライセンスを一挙に取得するのと同じ結果となる。」
http://www.kottolaw.com/column_090210.html
ベルヌ条約やフェアユースといった著作権実体法の問題を論じる前に、その基礎にある手続制度--ここではクラス・アクション--に着目するという点は正しいと思うのだが、私見からはまだ踏み込めるように思われる。「クラス・アクションがあるから」は答ではなく、さらなる問いが出てくる。
  1. 外国人が関わっても領域的管轄権は問題ない?--これは過去にも肯定した事例があるはずだから根拠を確認
  2. 代表当事者の代表性は大丈夫?--ここにベルヌが出てくる、がそれでも本当にそれでよいか
  3. クラス・アクションにおける和解については最高裁は渋めの判断を示しているが、それとの関係は?(*1)本件は和解自体を目的としたクラス・アクションではないからOKなのか?
  4. 「著作権集中管理システムとしてのクラス・アクション」の限界については以前触れたのだが(*2)ここでは同様の問題は存在しない?
  5. こららの点をチェックするはずのクラス認証の手続はどうだったの?
もちろん当事者や裁判所はこれらの点をクリアしている、はず。単に自分が本件をフォローしていなかったので、無知故の勉強の余地ということではある。
が、それでも本当にclearされているのか、かなりmurkyな部分があるのではないか、という感触がある。たぶん、異議を申し立てて、「そもそも本件クラス・アクション自体がけしからん」と引っ繰り返す(よう主張する)余地は十分にあるように思われる。それでもってたぶん、最高裁まで行ってクラス・アクションに関する判例を作れそう。

【関連】

After Tasini - アメリカ法観察ノート

【More・・・】

*1 この本は積みorz
『Mass Torts in a World of Settlement』
  • 『Mass Torts in a World of Settlement』
  • Richard A. Nagareda
  • Univ. of Chicago Pr., 2007
  • ISBN=9780226567600
*2 After Tasini - アメリカ法観察ノート
*3 登録要件は"United States work"にのみかかってくるから、むしろ外国著作物のほうが和解に拘束されやすくなるという逆説が生じるのでは?
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テーマ : アメリカ合衆国 - ジャンル : 政治・経済

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