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2008.01.21 (Mon)

大統領選挙:若者の政治参加

自分よりよく見ている人がいるだろうから大統領選挙についてはあまり書いてこなかったが;

こちらで肌感覚で感じるのは、オバマ人気あるなぁ、ということ。
イラクで外交の行き詰まりを見せていたところに、サブプライムで経済の行き詰まりのコンボで、変化/変革へのapetiteがあるし、その点しがらみのないオバマはうってつけの候補なのだろう。
日本であまり知られていない段階から目を付けていたIさんは見る目がある。
自分の見立てでは、人気に比して何をやりたいのかはっきりしない感じがして、JFKに重なって見える。

共和党側は、事前の下馬評では本命候補だったジュリアーニがグダグダなのがちょっと意外。(事情通ならそうとも思わないのか?)


本題。
若者の力が米国政治を変える (BusinessWeek):NBonline(日経ビジネス オンライン)
大統領選のキャスティング・ボートを握る
2008年1月21日 月曜日
Michelle Conlin (BusinessWeek誌、職業生活部エディター)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20080118/144736/
この選挙に関連して、「ジェネレーションY」=アメリカの20代の若者の政治行動に関する記事。
「親世代が当たり前のように享受していたものは、Y世代が受け継ぐ経済からどんどん失われつつある。会社が提供する医療保険、手の届く住宅、社会保障、無理のない教育費、高収入の仕事などだ。
自尊心を持つように育てられ、デジタル時代の担い手としてもてはやされたこの世代は、自分たちを非常に重要な存在だと考えている。そして選出する政治家にも、自分たちの世代を尊重してほしいと思っているのである。」
「新世紀世代は、ダウ平均が上昇を続ける中で子供時代を過ごした。近年で最も輝かしい富の創造時代に成長し、大人たちが、まるで宴が永遠に続くがごとく資源を消費し、借金をどんどん増やすのを見てきた。そして、ハイテクバブルの崩壊、テロ、戦争、気候変動などの問題が次々と起きた。新世紀世代の眼前に大きく広がる先行き不安が、この世代の世界観を表している。」
ここらへんの状況は、日本において、80年代のバブル景気の後、90年代に氷河期世代が経験したものときれいに重なる。日本の場合、911と対テロ戦争がなかったとしても、阪神大震災やオウムがあった(*1)。ちょうど10年遅れで同じ状況になったということか。

もっとも、
「中産階級が締めつけられていることに気づくのに、経済学の学位は必要ない。この世代は、両親がやりくりに苦労するのを見て育った。今世紀初めの、企業スキャンダルで引き起こされた大量解雇時代も知っている。」
というあたりは日本の氷河期世代のほうがもう少し複雑ないしambivalentかも知れない。
親世代における、中産階級の「下流」化や(原語は別の意味であるはずの)「リストラ」を見ていたのは共通しているが、他方で「就職氷河期」の原因は団塊世代の(終身)雇用の維持のためであり、氷河期世代と団塊世代とは利害が対立していた/いる。しかし団塊世代とは氷河期世代の親でもあり、という再転倒がある。

しかし、10年違いで極めて類似する経験をしているにもかかわらず、Y世代と氷河期世代の世界観や行動様式にはかなり違いがあるように見える。
「この国には何でもある、ただ、『希望』だけがない。」と村上龍が書いたのが2000年。
他方、Y世代は、
「様々な苦難や経済的な不安にも関わらず、今の20代の若者が絶望したり無気力になったりしない」。
その原因は多元的であり得るだろう。
一見類似しているようで、実は直面している状況は大きく異なるとも評価できるかも知れない。
90年代の間中、氷河期世代とその他多くの日本人は、その状況が一時的なものだと思っていた。間もなく景気が回復してあらゆる状況が好転すると思っていた。(だがそうならなかった。)
他方、90年代以降の米国の好況も実は表面的なものであり、水面下では製造業の海外移転に代表されるように空洞化を起こしていた。「普通の労働者」向きの職は減る一方で、借金で消費が支えられていた。
「政府や経営者が、医療保険や年金といった補償の責任を次第に個人に押しつける…傾向は数十年かけて続いてきたものの、この世代がリスクの転嫁を肌で感じる初めての世代になるかもしれない。」
その意味で、経済・社会の変動は既に起きており、それに対してY世代はwell-preparedである、のかも知れない。

米国の状況について、この記事では
「その理由は簡単だ。絶望するように育てられていないからだ。 この世代が育ってきた時期は、子供に対する政策が重要視され〔た〕。かつてないほど大切に育てられ、大人からは「あなたにはほかの人とは違う能力がある」と刷り込まれている。 最大のマーケティング対象でもあった…」
と分析する。

この点、日本の氷河期世代はどうだろうか。
彼ら--いや、我らというのが正しい。自らも氷河期世代に属する以上、これを語るとすれば個人的な呪詛が含まれていることを警告せねばならない。
特に氷河期世代前半は、団塊ジュニアの世代でもある。単純に頭数が多かったから、受験を初めとするリソース獲得競争は激しかった(*2)
そして就職活動期には氷河期突入。
遡れば、80年代に上の世代がバブル景気を謳歌している頃、後の氷河期世代が受けていた中等教育は管理教育の全盛期でもあった。
個々の例はともかく、世代全体として見れば、「大切に育てられ」た「最大のマーケティング対象」とは言い難いのではないか。

そして結局、政治参加の態度の差として表れる。
「…この世代は、口先ばかりのでたらめを嫌う。率直でない政策や候補者は、皮肉ではなく純粋に軽蔑する。」
「新世紀世代も既成勢力に失望しているのかもしれない。しかし新世紀世代は、自分自身と、インターネットを通じて物事を成し遂げる自分たちの力に絶対の自信を持っている。」
ではどのような処方箋が書けるのか。
「「投票してくれれば、様々なプログラムを創出します」などと言っている候補者には全く心を動かされない。「私と一緒にこの国と世界を変えましょう」と言う候補者は、ウェブ2.0の考え方を手本にして、新世紀世代を動員することができるだろう。」
「オバマ陣営の若者旋風は11月の決戦前に終わってしまうかもしれない。しかし、オバマ氏が米国の20代の経済問題に真剣に向かい合ったことによって、自ら変化を起こそうとする新世紀世代が注目されるようになったのは間違いない。」
日本には未だ氷河期世代の「経済問題に真剣に向き合った」政治家は現れない(*3)
氷河期世代が政治的にactiveでないから、その利害を代表する政治家が現れないのか、その声を受け止める政治家が現れないから氷河期世代が政治にシラケているのか、ニワトリタマゴで結論は見えないが。(*4)
【関連】
アメリカの裁判官(の給料)とリーガル・サービス市場
サブプライム問題
で、誰をひっぱたくのか

【More・・・】

*1 人によっては酒鬼薔薇聖斗などもカウントするかも知れない。
*2 もっとも議論の公正のためには、激変緩和のために高校や大学の入学定員の一時的引き上げが行われたことも注記しなければならない。
*3 大規模国政選挙で続けて「年金」が争われるのがその象徴であろう。要するに若年失業者より隠居した人間に金を回せという主張なのだから。
*4 現時点では、90年代の選挙制度改革の結果という制度的要因を一つ念頭に置いているが、これで全ては説明できないだろう。
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テーマ : 日本の未来 - ジャンル : 政治・経済

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