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2008.06.23 (Mon)

不法行為改革の到達点とロビイング

アメリカは訴訟社会、というのはまぁ人口に膾炙した話だが、や、ここ20年くらい、1980年代後半以降のアメリカ法の動きはむしろ逆、プロ・ビジネスの方向に動いているよ、とは以前からちらちらと書いているが;

To the Trenches - The Tort War Is Raging On - News Analysis - NYTimes.com
By JONATHAN D. GLATER <br /> Published: June 22, 2008
http://www.nytimes.com/2008/06/22/business/22tort.html?th&emc=th
そうしたものの内、「不法行為改革tort reform」と呼ばれる議会立法に関連して、ロビイング団体の動きについて、合衆国商工会議所(United States Chamber of Commerce)とアメリカ正義/司法のための協会(American Association for Justice)(*1)に焦点を当てたレポート。もちろん前者がビジネス側、後者は潜在的原告/被害者≒市民側、ではなく原告側弁護士の団体。

若干前者が優勢、というニュアンスの書きぶりで、このこと自体は私自身の見解とも一致するから異論はない。

若干付け加えるとすれば、アメリカは既に時代が一周しているのではないか、ということ。
どういうことかと言えば、民主党は原告側弁護士の政党だ、ということ。2006年の選挙で連邦議会を奪回し、ひょっとするとホワイトハウスも、ということになれば、ビジネス側有利の立法は一段落し、むしろ逆方向に振り子が振れ出すことは大いにあり得る。
John Edwardsなどその典型みたいなタイプで、彼が副大統領候補にでもなるようなことがあれば、流れは明確になるのではないか。


ところでかかる制約に対して原告側弁護士は「市民の権利が回復されないのはケシカラン」と言うわけだが、(そしてもちろん「でも本当に守りたいのは自分らの利益だろ」とツッコまれるわけだが)
"[T]he caps hurt the very people who most need help -- low-income people who sustain injuries, Mr. Stevens said. People who earn a lot of money can claim significant lost income as part of their injury. The unemployed, children, the elderly or anyone else with little earning potential stands to recover less for the same injury than someone in the work force. Plaintiffs' attorneys often get a percentage of the amount awarded to a client, so the limits mean they have a greater incentive to sue on behalf of a rich injured victim than a poor one.
"I have not filed a lawsuit for a child or a stay-at-home mom in a medical malpractice claim since 2002, because they regrettably lack economic value in the tort reform scheme" now in place in Mississippi, Mr. Stevens said."
非経済的損害(慰謝料等)にキャップがかかると、低所得者が被害を被った場合の損害額が小さくなって、賠償額の一定割合を受け取る成功報酬制で弁護士が受任しなくなって、低所得者に不利に働くよ、と。

イギリスや大陸諸国とかなら「じゃあ法律扶助を拡充しましょう」という話になるところだが、そうはならないのがアメリカン(笑)

【関連】

謝罪する医師 - アメリカ発祥の地でアメリカ法を思考する
アメリカの裁判官(の給料)とリーガル・サービス市場 - アメリカ発祥の地でアメリカ法を思考する
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CAFAシンポ - アメリカ発祥の地でアメリカ法を思考する
規制を求める業界 - アメリカ発祥の地でアメリカ法を思考する

【More・・・】

*1 しかしまぁ「アメリカ・トライアル弁護士協会Association of Trial Lawyers of America」という旧名称のほうがわかりやすいよなぁ。
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テーマ : アメリカ合衆国 - ジャンル : 政治・経済

01:37  |  アメリカ法  |  TB(0)  |  CM(2)  |  EDIT  |  Top↑

Comment

>逆方向に振り子が振れ出すこと
アメリカでは、議員立法がメインだから、議会をどちらの党がとるか、あるいは、法律は大統領が署名して初めて発効するのでどちらの当から大統領が出るかというのは、極めて重要なポイントだと理解しております。
あと、主要な省庁の一定レベル以上のポストは政治任命職ですから、その意味でも大規模な職業専門家集団(法律家)のポジション・チェンジが起きるのでしょう。

IRSは、1998年改革法により大規模組織再編、機構改革が行われました。このときは、クリントン政権下で共和党優位の議会が結果的に妥協したわけです。しかし、ブッシュ政権になってから、もともと共和党系の内国歳入庁においては、明らかなゆり戻し、それこそ振り子の原理が働いていました。

この振り子理論は、実際に内国歳入庁の高官が文字通りそのとおりの表現で私たちが訪問したとき発言したものです。彼は、ヒラリー・クリントンが大統領になったら地元に帰るって言ってましたね。

逆に、われわれが行ったとき、クリントン政権下において役所にいた連中が民間にいて当時の状況を詳細に語ってくれました。

職業専門家の責任論に関しても、何年周期かで触れているように感じます。
nk24mdwst |  2008年06月24日(火) 13:19 |  URL |  【コメント編集】

> 振り子
議員立法の位置付けという論点は確かにありますね。
もっとも党議拘束は事実上ありませんから、単純なparty lineで語ることにも慎重である必要があって実証的な政治学研究のお世話になるのですが。

租税の分野は確かにいずれの党が優勢かで大きく違ってくる分野かも知れません。
共和党主導の富裕層減税も一服することになるのでしょう。
IZW134 |  2008年06月25日(水) 14:09 |  URL |  【コメント編集】

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