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2008.04.29 (Tue)

社会のID:[OL]

ペンシルバニアは私のビザの条件では運転免許を発行してくれない。らしい。
大学の担当者はそう言っていたのだが、当局のホームページでは該当の情報を確認できない。
ともあれ、という次第でこちらの免許は取得していないし、おかげでIDを要求される場面--少なくない--では何かと不便である。まぁパスポートを持ち歩けばいいだけとも言えるのだが。

Don't Fear the Reaper : 速報:投票において写真付きIDの提示を求める州法は合憲
http://eastriver.exblog.jp/7835701/
もう5月。2007-08開廷期も終盤に入ってきて、注目事件の判決も出始めている。
これもそうした一件。
Crawford v. Marion County Election Bd., 2008 U.S. LEXIS 3846 (Nos. 07-21 and 07-25, Apr. 28, 2008)
available at
http://www.supremecourtus.gov/opinions/07pdf/07-21.pdf
投票の際に写真付きID(運転免許証とか)を要求するインディアナ州法が投票する権利を侵害すると主張された事件。結論は6対3で合憲。

選挙法の専門家であるeastriver46先生が評釈を書くと宣言されているので詳細な分析はそちらにお任せすることとして、ここでは斜めに読んだ感想メモのみを。

事案の特徴として若干追加すれば
  • (当然といえば当然だが)影響を受ける有権者--運転免許等を持っていない有権者--は高齢者や貧困者が多い。
  • こうした有権者は民主党に投票する傾向にあり、当該インディアナ州法も完全に共和党の支持のみで採択された。

正確には(3+3):(2+1)の判断。法廷意見は形成されていない。のみならず相対多数(plurality)意見すら構成されていない。珍しい。
Stevensの意見(Roberts、Kennedy同調)が結論を宣言した"lead opinion"として扱われているが、何でだろう?主席裁判官が入っているから?(*1)よく分からないのだが、ちょっと見た限りでは根拠規定が見つからない。

大雑把に言えば、運転免許証等の写真付きIDを取得することが
  1. 大したことない→Scalia結果同意意見(Thomas、Alito同調)
  2. 大変だ→Souter反対意見(Ginsburg同調)(*2)
  3. 分からない/十分な証拠がない→Stevens' lead opinion(*3)
というのが判断の分かれ目だろう。文面上違憲を求める事件であるので、c.の立証水準は高く要求されている。


本件でも注目はStevensだろう。放っておけばいつもの5:4になるところを、彼が合憲側に回ることで3:3:3となっている。
Robertsは例によってミニマリスティックに事件を処理しようとしたのだが、法廷意見を構成することに(また!?)失敗、このままだとScalia派の意見が相対多数意見となるところを、老獪なStevensは自らの投票でそれをつぶした、という辺りか。
In a 6-to-3 Vote, Justices Uphold a Voter ID Law - New York Times
By LINDA GREENHOUSE Published: April 29, 2008
"The vote of Justice Stevens, a reliable anchor of the court’s liberal bloc, was something of a surprise. Some speculated that his strategic aim was to keep Chief Justice Roberts and Justice Kennedy from joining the Scalia camp."
http://www.nytimes.com/2008/04/29/washington/29scotus.html?th&emc=th
こちらの見解はもっと積極的に、Stevens主導でRoberts、Kennedyを引き剥がした、という見立て。

逆にAlitoの投票行動は先日のobservationからはハズレ(汗)

「ID法に関する議論は、これで一応合憲ということで決着がつくことになるのか、それともまだ一波乱あるか。」
文面上違憲の主張を斥けただけなので、形式的には適用違憲の事件で再び争われる可能性があるが、本件で要求されている立証水準等に照らすと難しそうではある。

【More・・・】

*1 もっとも、主席裁判官が裁判所としての結論を下す側に入っている以上、誰が法廷意見を書くかは彼が決めるわけだが。
*2 Breyer反対意見は、本件スキームが貧困者等にdisparateに影響することを重視。
*3 おお、みんなSだ。
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テーマ : アメリカ合衆国 - ジャンル : 政治・経済

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