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2008.03.06 (Thu)

カッペの契約法・補論

もう一ヶ月前の話題、既に皆忘れている気がするのだが
アメリカ発祥の地でアメリカ法を思考する - カッペの契約法http://izw134.blog74.fc2.com/blog-entry-23.html
プリンスホテルが日教組の教研集会をキャンセルした事件に関するこのエントリについて、数少ない読者から誤読されている気がするので補足エントリ。

先のエントリで、私はプリンスホテルを批判/非難したつもりはないんですね。
ホテル側の裁判所の命令に対する自発的遵守がなかったという「事態」「状態」について、「残念なことだ」「遺憾なことだ」とは考えるしそのように書いたつもりではあるのだが、「裁判所の命令に従わないプリンスホテルはケシカラン」とは言ったつもりはないし、実際にもそのように思わない。

次のような事例を考えてみよう。
捜査官Xは、かねてより追いかけていた容疑者Yの潜伏先を突き止め、逮捕令状を得て部下を引き連れて潜伏先の甲宅を訪れた。
部下に甲宅周辺に配置の上、Xは甲宅を訪れYを逮捕しようとしたが、Yは裏口から脱出し、包囲の手薄な所を突いて脱出し、姿をくらました。
このような場合、「Yが素直に捕まらないのはケシカラン」と言う人はあまりいない。普通、「十分な数の人員を動員するなど捜査当局のやり方が拙い」と評価するはず。

プリンスホテル--でなくても誰でも--ある信念に基づいて法執行を拒否したのだとすれば、それは市民的不服従の問題系につながっていくはずで、それをそのようなものとして取り扱うのはむしろ良心の自由の尊重であるとすら言える。(*1)

しかしそれを放置したのでは秩序は維持できないのであって、司法的=公権的決定に対する(外形的な)服従は確保されねばならないし、そのために国家は暴力装置を備えている、はず。
しかし今回、公権的決定に対するoutrightな無視を政府は座視してしまった、これは、マズかろう、というのが元エントリの趣旨。
社会契約でリヴァイアサンを作ったはずなのに、実際にはアオダイショウだった、ではダメだ、と。


このコンテクストで、プリンスホテルの行動を「批判」するというのは、前述の通り市民的不服従を否定することになるはずなのだが、それに気付いているのかなー、というのは一つある。内心を問わずに外形的行動を(暴力的にでも)従わせしめるほうが、よほど対象の内心を尊重することになるのではないか、そういう点は分かって批判しているのか、と。

官僚・政治家双方の政府関係者もホテル側の行動を批判していたわけだけれども、これは彼らの預かる公権力が行き届かなくなりそうでマズい、という観点からは正しい反応ではある(*2)
しかし、だったら呑気に批判していないで、ホテル側を司法的決定に従わせしめるべく、しかるべき手を打つべきだったんじゃないかと。

というわけで、ホテル側の行動を「批判」する見解に対しては、発言者によって意味合いは異なるが、同調しない。
ただ、「批判」「批難」が無意味なのかと考えると、また別の意味合いがあるのではないか、という気もするので、別エントリで検討したい。

【More・・・】

*1 遵法義務や市民的不服従の論点については詰めて考えたことがないのだが、一応の見通しとしては道徳的義務としての遵法義務を措定しないほうが多様な思想・良心の自由の確保につながるかと思っている。しかし…という点については本文参照。
*2 普段、日教組に批判的な人々を含めて。たぶん、官僚とかはちゃんと分かって発言していただろうし、政治家も分かっている人は分かって発言を、分かっていなかった人もちゃんと振り付けがあったのだろう。
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