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2009.01.16 (Fri)

医療器具とFDA規制

Report Criticizes F.D.A. on Device Testing - NYTimes.com
By GARDINER HARRIS
Published: January 15, 2009
http://www.nytimes.com/2009/01/16/washington/16device.html?th&emc=th
合衆国政府監査室(Government Accountability Office; GAO)が、食品・薬品局(Food and Drug Administration; FDA)による医療機器の審査に問題があるとして改善を勧告するレポートを発表した、との報告。十分に安全性が確保されていない、と。
レポート本体はこれ(未読)
U.S. GAO - Medical Devices: FDA Should Take Steps to Ensure That High-Risk Device Types Are Approved through the Most Stringent Premarket Review Process
http://www.gao.gov/products/GAO-09-190

In F.D.A. Files, Claims of Rush to Approve Devices - NYTimes.com
By GARDINER HARRIS
Published: January 12, 2009
"An official at the Food and Drug Administration overruled front-line agency scientists and approved the sale of an imaging device for breast cancer after receiving a phone call from a Connecticut congressman, according to internal agency documents.
The legislator's call and its effect on what is supposed to be a science-based approval process is only one of many of accusations in a trove of documents regarding disputes within the agency's office of device evaluation."
http://www.nytimes.com/2009/01/13/health/policy/13fda.html?emc=eta1
こちらでは、乳ガン診断装置の審査を関して、FDAの職員が下位の職員の判断を覆して認可を与えた事例をillustrate。この診断装置を開発した企業を選挙区に持つ下院議員(*1)から連絡があって後に。
ちなみに当該企業は"Fujifilm Medical Systems"という。


政府認可の適切性の問題は日本でも薬害等の問題として何度か問題となっているが;
アメリカにおいて連邦政府による安全規制の遵守は、日本におけるそれよりも重大な法的な帰結をもたらし得る。

日本の不法行為法の通説的見解では、政府規制の遵守の事実は過失判断においての一考慮要素として取り扱われるが、それによって自動的に帰結が決まるものでもない、というものだろう。
アメリカ法においても、基本はそうである--当該規制が州政府によるものである限りは(*2)

これが連邦規制となると、状況が大きく変わってくる。
不法行為法は州法に属する。そして、州不法行為法は--単に原告の被った被害を賠償せしめるだけでなく--「過失」(注意義務)や(製品の)「欠陥」といったファクタを通じて、(潜在的)被告の行動をコントロールするものでもある。
他方、連邦行政規制もまた、規制対象の行動等をコントロールするものである。そして、連邦法と州法とが抵触する場合には連邦法が勝つ、というのが合衆国憲法上の連邦制の原則である。

実際に、関連連邦行政規制と関連州不法行為法とが抵触関係に立つかどうかは、それぞれの個別的な解釈論に依存して一口には言えないのだが、抵触が(裁判所によって)見出されれば、連邦行政規制を遵守したという事実は、不法行為法上の賠償責任を免除せしめる、という帰結をもたらすことになる。
Riegel v. Medtronic, Inc., 128 S. Ct. 999 (2008)
available at http://www.supremecourtus.gov/opinions/07pdf/06-179.pdf (*3)
エントリを書きそびれていた判決。医療器具に関するFDAの認可によって、連邦最高裁が実際に専占を認めた近時の事例。

こうした帰結は、形式的論拠としてはもちろん連邦制の原理があるわけだが、実質論としては、裁判所/民事訴訟という、安全性の審査について能力的に不十分なforumよりも、専門性の高い行政機関の判断を尊重する、という正当化がなされる。
しかし、行政機関の「専門的判断」が中身を伴っていなかったとしたら?

いやはや。

「私人による法実現」の回路はこうした形でも侵食されているのである。(*4)

【関連】

private attorney general - アメリカ法観察ノート
不法行為改革の到達点とロビイング - アメリカ法観察ノート
規制を求める業界 - アメリカ法観察ノート
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