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2009.01.28 (Wed)

恋の第1級謀殺

判例評釈を書いていた。

判決中の判示:
intentional first-degree murder
→我がATOK:
恋の第1級謀殺
…それ何てヤンデレ?なんか目のイっちゃってる包丁持った女の子キャラが思い浮かんでしまった(爆)
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18:24  |  身辺雑記  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2009.01.26 (Mon)

連邦最高裁の判決のペース

連邦最高裁の判決速報ページは、FirefoxのアドオンUpdate Scannerで監視して新判決が出たら確認できるようにしてあるのだが;
今日(1月26日)は6件が一気に出ていて一瞬ギョッとする。先週も一度に5件出ていた日(21日)があったし、今2008-09開廷期はここまでで通算21件と、例年になくペースが早い気がする。

と思ったのでちょっと確認。
最高裁のOpinionsのページですぐに確認できる直近のもののみだが--そして、これはちょうどRobertsコートが始まってからの時期と一致する。
2007-08開廷期は1月末で14件、21件に達したのは2月末。開廷期通算は73件。
2006-07開廷期は1月末で14件、21件に達したのは3月上旬。開廷期通算は75件。
ここまでを見て、「やっぱ今年は多いな」と思ったのだが、
2005-06開廷期は1月末で26件、2月末で37件。開廷期通算は87件。
1月はあともう一週間あるし、今開廷期のペースはほぼこれに相当する。

Robertはconfrimation hearingで、「最高裁はもうちょっと多くの事件処理をできるよねー」と回答していた--がその割りにはそれほどの事件数を処理していないと2005-06開廷期が終わった後にいわれていた--が、今開廷期は少しペースアップしよう、ということだろうか。
もっとも、全員一致の判決も目立つ気がする(*1)ので、単に争いのない事件をさっさと処理してしまおうということかも知れないが。

テーマ : アメリカ合衆国 - ジャンル : 政治・経済

19:19  |  アメリカ法  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2009.01.23 (Fri)

宣誓

当日書いたとおり、オバマの就任宣誓の瞬間は見ていない。
こんなネタがあったんね。
Obama and Roberts Try the Presidential Oath of Office Again - NYTimes.com
By JEFF ZELENY
Published: January 21, 2009
http://www.nytimes.com/2009/01/22/us/politics/22oath.html?emc=eta1
米最高裁長官、大統領就任宣誓の語順間違える 写真7枚 国際ニュース : AFPBB News
「米憲法によれば宣誓は「I will faithfully execute the office of president of the United States(私は誠実に大統領の職務を遂行する)」と行うと定められているが、ロバーツ長官は語順を間違え「faithfully」をこの部分の最後に持ってきてしまった。オバマ氏は誤りに気づき一瞬言葉を止めた。
……しかしロバート長官が同じように繰り返したため、オバマ氏は最終的には長官が述べたとおりに復唱した。……
ロバーツ氏は連邦控訴裁判所判事を経て最高裁長官に任命される前には共和党政権の法律顧問として働いた経歴もある。ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)前大統領は2005年ロバーツ氏を連邦最高裁判事に指名したが、オバマ大統領は上院司法委員会でロバーツ氏の指名承認に反対した22人の民主党上院議員の1人だった。」
http://www.afpbb.com/article/politics/2561088/3708637
参考:
"Before he enter on the execution of his office, he shall take the following oath or affirmation:--"I do solemnly swear (or affirm) that I will faithfully execute the office of President of the United States, and will to the best of my ability, preserve, protect and defend the Constitution of the United States.""
U.S. Const., art. II, sec. 1,
available athttp://www.law.cornell.edu/constitution/constitution.articleii.html#section1
政権側は当初の宣誓は「法的に有効」との立場とのことだが、仮に宣誓の効力に疑義があるとすれば、20日12時~21日19時になされた大統領令等については厳密に言えば問題があることにもなりますね。
2009-01-23 - 弁護士 落合洋司 (東京弁護士会) の 「日々是好日」
■[話題]米最高裁長官、大統領就任宣誓の語順間違える
「こういう経緯があった上で、「faithfully」(誠実に)の語順を間違う、というところに、単なる間違いであったのか、ということを感じさせるものがありますね。
大統領は最高裁裁判官を指名する権限を有しており、現在の米国最高裁は保守とリベラルが拮抗している状態で、今後の人事によっては最高裁の判断に大きく影響する可能性が高く、単なる間違いとは思いにくいものがあります。」
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20090123#1232671306

ただ、自分の見方はAFPの論調や落合先生のコメントとは若干異なる。
この件はロバーツの単純なミスと見るべきで、それ以上の意図的なものを読み込む必要はなかろう、と。
理由:
  1. 党派の入れ替わる政権交代を伴うとはいえ、国家元首の就任式典である。こういうコンテクストではpartisanな動機よりもbi-partisanな礼を優先してunityを演出するのがアメリカ的流儀。
  2. そのような“嫌がらせ”をしても、第一義的に非難されるのはロバーツのほうで、オバマ側にダメージはない(*1)。そのような行動を執っても得るものはない。ロバーツもミスを認めている。

無論、カンペを用意しなかったことに「大丈夫だと思うけど間違っても構わないや」というrecklessnessないし“未必の故意”を見出したり、そこまでも至らない“無意識”を見出すという見方もあるかも知れないが、それを立証するのは困難であろう。仮に今後、大統領(+議会)が司法部と対立的になってそれがしばらく続いたとすれば、後の歴史家がこのエピソードをある種の象徴的なものとして“解釈”する、という程度の位置付けになるものと考える。


また、最高裁人事についても私見は異なる。
米最高裁長官、大統領就任宣誓の語順間違える 写真7枚 国際ニュース : AFPBB News
「オバマ大統領はロバーツ長官の影響力を弱めるような最高裁判事を指名する可能性もある。」
2009-01-23 - 弁護士 落合洋司 (東京弁護士会) の 「日々是好日」
■[話題]米最高裁長官、大統領就任宣誓の語順間違える
「大統領は最高裁裁判官を指名する権限を有しており、現在の米国最高裁は保守とリベラルが拮抗している状態で、今後の人事によっては最高裁の判断に大きく影響する可能性が高く、単なる間違いとは思いにくいものがあります。」
以前も書いたが、現在の連邦最高裁裁判官の内、近い将来(=オバマ政権の継続中)に辞める可能性が高いのは、リベラルなほうから順番に2~3人である。その後継をオバマがリベラルな人物で埋めたとしても、最高裁裁判官のイデオロギーのバランスは変わらない。
むしろ、端的に経験値も最も高く、老獪なStevensが抜けるとすれば、短期的には、リベラル側から見て票数が変わらずに票の“質”が下がることにもなる(*2)
従って、保守ブロックの裁判官が急に健康を崩すなどの事態が発生しない限り、“順番通り”だとするとオバマ政権下の最高裁人事(仮にあったとして)によって最高裁の判断が大きく変化するということは、短中期的にはあまりないだろう、というのが自分の見立てである。
Tribe v. Olson - アメリカ法観察ノート
「今一番辞めるのに近いのはリベラル派だとも指摘。高齢なのはStevens、Ginsurgだし、Souterも年齢的にはそれほどでもないが辞めたがっているらしい。」
http://izw134.blog74.fc2.com/blog-entry-98.html
Roberts Courtの保守傾向 - アメリカ法観察ノート
「次の民主党大統領が指名する裁判官がStevens、Ginsburg、(Souterも?)に交代して、各ブロックの基礎票は変わらないまま、KennedyやBreyerがキャスティング・ボートを持つ状態があと10年、2020年頃まで続くのだろう…」
http://izw134.blog74.fc2.com/blog-entry-97.html

【関連】

Kennedy's Court? - アメリカ法観察ノート
Roberts Courtの保守傾向 - アメリカ法観察ノート
Tribe v. Olson - アメリカ法観察ノート

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01:35  |  アメリカ法  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2009.01.22 (Thu)

IJ

公益ローファームInstitute for Justiceのメンバーによる講演に出る。
IJは、リバタリアン的イデオロギーに基づいて“公益”を追求する団体で、ロビイング活動も行っている。プレゼンの中ではトクヴィル的デモクラシーを模範とする、というようなことも言っていた。
しかしそういう話を、経済危機の只中、オバマ民主党政権の発足直後、しかも聴衆は(宣伝の関係上たまたまだとは思うのだが)留学生や短期滞在中の某地方政府関係者といった中国人がほとんど、というところでする、というのは中々にシュールなセッションでもあった。

具体的な活動の例として、営業・職業への規制と、収用(*1)に抗する訴訟・ロビー活動とに触れられていたが、時間の関係上、前者がメイン。
州のポリス・パワーによる営業・職業規制が如何にバカげているか、結果としてマイノリティや経済的に恵まれない層に不利に働いているか、といったことをルイジアナの花屋だとかミネソタのアフリカ風ヘアスタイルの店の規制を例に話していた。
バカげている具合を表すのに、"Ha, ha, ha"とAmerican jokeを本当にlawyerがプレゼンするのを見たのは初めてだよw

という具合に20世紀前半以降のprogressivismに端を発する経済・社会規制を批判していたのだが;
しかし建国の父祖らもトクヴィルもbig businessが大きな顔をするような社会が現出するとは思っていなかったわけで、progressivesの主たるターゲットはそういったbig businessであった。big businessesのvices & evilsやmarket failureに対して、IJはどうすれば対応できると考えているんだ?といった旨を問うたら;
IJはpro-marketではあるがpro-businessではない、より正確には、pro business per seではない、とのこと。で、あらゆる規制をダメだとするものでもないが、IJ的には、ニュー・ディール期以降の政府規制というのは実際には業界団体や大企業と結び付いて、独占的利益(既得権?)を確保しようとしているんだ、という具合に世の中を見ているらしい。
そうだとすると、世の中の規制には
  1. よい意図を以て、よい帰結をもたらす規制
  2. よい意図を以て、悪い帰結をもたらす規制
  3. 悪い意図を以て、悪い帰結をもたらす規制(*2)
があって、1がOKで、3を排除し2を統御しようという話なら、規制プロセスをどう改革するのか、という話なんやん、と思って後で話してみたのだが、
「そういう分析も可能だろうが、憲法的なconstraintの問題がある」という反応だった。
いや、本当にそれが憲法上の権利や統治権能に含まれるのか自体が争われていて論点なんだし、それでは答になっていないのではないかと。まぁ自分自身、憲法上の(各論的)論点を政策判断として考えてしまうクセがあることは認めるのだが(*3)
アメリカ人(法律家)の使う"constitution(al)"という語の語感は一筋縄ではいかない。

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23:20  |  アメリカ法  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2009.01.20 (Tue)

新大統領就任によせて

アパートにTVはない。
PCでCNN.comのストリーミングを見始めたが、イマイチ画質が悪かったのでキャンパス内のフードコートのTVでも見に行くかな、と思ったところでシャワーの修理に業者がやって来たので、結局ネットで見続ける。
が、アクセスが集中するのか、ヤマ場になると接続が途切れる。宣誓した時点も見ていない。バイデンが宣誓したところで途切れ、次につながった時はもう演説が始まっていた。演説も途切れ途切れでよく分からなかったので全文は結局文字起こしを読む。

公職担当者の就任式典という意味では、日本のコンテクストで相当するのは皇居での認証式であろう。
あるいは、国家元首の交代という意味では即位の礼に比定するほうがいいのかも知れない。
などということを思う。(*1)


行く末については;
「期待」している向きは考えを改めたほうがよい。取り分け「リベラル」を自認する日本人であれば。それは、アメリカ内在的に理解しようとすればないものねだりである。
ブッシュ(政権)はgdgdであった(とされている)が、自らの敵が去り、敵の敵であるが故に味方として自己と同一化するのだとすれば、それこそブッシュ的思考様式の善悪二元論である。

むしろ、主要な公職の布陣等から見るに、新政権は仕事師的に振る舞うであろう。
幾つかの論点では象徴的な変化も見られるだろうが、全体としては漸進的変化と呼ぶべき状態になるのではないか。
さて、本当にグアンタナモを閉めることはできるであろうか。
Obama’s Plan to Close Prison at Guantánamo May Take Year - NYTimes.com
By WILLIAM GLABERSON and HELENE COOPER
Published: January 12, 2009
"President-elect Barack Obama plans to issue an executive order on his first full day in office directing the closing of the Guantánamo Bay detention camp in Cuba, people briefed by Obama transition officials said Monday.
But experts say it is likely to take many months, perhaps as long as a year, to empty the prison that has drawn international criticism since it received its first prisoners seven years ago this week."
http://www.nytimes.com/2009/01/13/us/politics/13gitmo.html?emc=eta1

朝日社説 オバマ大統領就任―米国再生の挑戦が始まる : asahi.com(朝日新聞社):社説 - finalventの日記
「朝日のような短絡的な議論では展望はない。」
http://d.hatena.ne.jp/finalvent/20090121/1232497428

【関連】

Elena Kagan - アメリカ法観察ノート
歴史の一ページ - アメリカ法観察ノート
オーストラリア政権交代 - アメリカ法観察ノート

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23:37  |  アメリカ法  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2009.01.17 (Sat)

Elena Kagan

来週の就任を前にスタート時のオバマ政権の陣容はほぼ固まっているが
Obama Names 4 for Justice Jobs in Break From Bush Path - NYTimes.com
By ERIC LICHTBLAU
Published: January 5, 2009
"President-elect Barack Obama reached back to the Clinton administration again Monday to fill four top Justice Department posts with lawyers whose records signal a sharp break from the legal policies of the last eight years."
http://www.nytimes.com/2009/01/06/us/politics/06justice.html?_r=1&emc=eta1
トップ--司法長官候補Holder--以外の司法省人事に関する記事。
「経済を初め他の分野については“穏当に”引き継いでいっているけれども、司法省関係はドラスティックな方針転換がありそうだね」ということだが;

個人的に注目はHarvard大法科大学院長のElena Kaganの訟務長官就任。
彼女は 以前のエントリで触れたUSA Todayの記事でも連邦最高裁裁判官候補として筆頭に挙がっていた人物でもあり、今回の訟務長官就任はその布石とも読める。
そうだとすると当該エントリの予測はハズレになるわけだが(笑)
Re: サンスティーンを最高裁に! - アメリカ法観察ノート
最右翼の候補は「現時点で名前の挙がっていない人物」、というのが自分的予想
http://izw134.blog74.fc2.com/blog-entry-288.html

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23:54  |  アメリカ法  |  TB(1)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2009.01.17 (Sat)

一難去ってまた一難

シャワーが壊れた。
今朝浴びたときは特に問題なかったのだが。

「特に問題なかった」といっても、以前より蛇口からのリークはあった。
が、今回は完全にシャワーにお湯が回らなくなった。

週末だから明日はアパートの事務所は閉まっている。
というか月曜もMartin Luther King Dayだから開いていないのか!?

折角風邪も治りかけてきたというのに、踏んだり蹴ったりというか泣きっ面に蜂というか。
23:10  |  身辺雑記  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2009.01.16 (Fri)

医療器具とFDA規制

Report Criticizes F.D.A. on Device Testing - NYTimes.com
By GARDINER HARRIS
Published: January 15, 2009
http://www.nytimes.com/2009/01/16/washington/16device.html?th&emc=th
合衆国政府監査室(Government Accountability Office; GAO)が、食品・薬品局(Food and Drug Administration; FDA)による医療機器の審査に問題があるとして改善を勧告するレポートを発表した、との報告。十分に安全性が確保されていない、と。
レポート本体はこれ(未読)
U.S. GAO - Medical Devices: FDA Should Take Steps to Ensure That High-Risk Device Types Are Approved through the Most Stringent Premarket Review Process
http://www.gao.gov/products/GAO-09-190

In F.D.A. Files, Claims of Rush to Approve Devices - NYTimes.com
By GARDINER HARRIS
Published: January 12, 2009
"An official at the Food and Drug Administration overruled front-line agency scientists and approved the sale of an imaging device for breast cancer after receiving a phone call from a Connecticut congressman, according to internal agency documents.
The legislator's call and its effect on what is supposed to be a science-based approval process is only one of many of accusations in a trove of documents regarding disputes within the agency's office of device evaluation."
http://www.nytimes.com/2009/01/13/health/policy/13fda.html?emc=eta1
こちらでは、乳ガン診断装置の審査を関して、FDAの職員が下位の職員の判断を覆して認可を与えた事例をillustrate。この診断装置を開発した企業を選挙区に持つ下院議員(*1)から連絡があって後に。
ちなみに当該企業は"Fujifilm Medical Systems"という。


政府認可の適切性の問題は日本でも薬害等の問題として何度か問題となっているが;
アメリカにおいて連邦政府による安全規制の遵守は、日本におけるそれよりも重大な法的な帰結をもたらし得る。

日本の不法行為法の通説的見解では、政府規制の遵守の事実は過失判断においての一考慮要素として取り扱われるが、それによって自動的に帰結が決まるものでもない、というものだろう。
アメリカ法においても、基本はそうである--当該規制が州政府によるものである限りは(*2)

これが連邦規制となると、状況が大きく変わってくる。
不法行為法は州法に属する。そして、州不法行為法は--単に原告の被った被害を賠償せしめるだけでなく--「過失」(注意義務)や(製品の)「欠陥」といったファクタを通じて、(潜在的)被告の行動をコントロールするものでもある。
他方、連邦行政規制もまた、規制対象の行動等をコントロールするものである。そして、連邦法と州法とが抵触する場合には連邦法が勝つ、というのが合衆国憲法上の連邦制の原則である。

実際に、関連連邦行政規制と関連州不法行為法とが抵触関係に立つかどうかは、それぞれの個別的な解釈論に依存して一口には言えないのだが、抵触が(裁判所によって)見出されれば、連邦行政規制を遵守したという事実は、不法行為法上の賠償責任を免除せしめる、という帰結をもたらすことになる。
Riegel v. Medtronic, Inc., 128 S. Ct. 999 (2008)
available at http://www.supremecourtus.gov/opinions/07pdf/06-179.pdf (*3)
エントリを書きそびれていた判決。医療器具に関するFDAの認可によって、連邦最高裁が実際に専占を認めた近時の事例。

こうした帰結は、形式的論拠としてはもちろん連邦制の原理があるわけだが、実質論としては、裁判所/民事訴訟という、安全性の審査について能力的に不十分なforumよりも、専門性の高い行政機関の判断を尊重する、という正当化がなされる。
しかし、行政機関の「専門的判断」が中身を伴っていなかったとしたら?

いやはや。

「私人による法実現」の回路はこうした形でも侵食されているのである。(*4)

【関連】

private attorney general - アメリカ法観察ノート
不法行為改革の到達点とロビイング - アメリカ法観察ノート
規制を求める業界 - アメリカ法観察ノート
18:40  |  未分類  |  TB(2)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2009.01.12 (Mon)

帰路

西海岸からマディソンへ帰るのに、decentな時間帯に辿り着こうと思って便を探すと…早朝初の便に乗るしかない。というわけでLAの宿ではほんの仮眠だけ取って、6時40分の飛行機に乗る。LAX-ORDはひたすら寝ていただけ。

往路のダラスで、予約したのよりも「もっと早い便あるじゃん」ということに気付いたので、復路のORDで同様なことがないか探す…やっぱある。3時間半待ちが1時間半待ちに短縮。カウンターに出向いて交渉してみると「guaranteeはできないけどね」と言われるが手続きしてもらう。ほどなくして搭乗券本体も確保。
とここまではラッキーだったのだが、この先がダメだった。15分遅れで搭乗となったがさっぱり出発しない。相変わらず眠かったので放送は右の耳から入って左の耳から出ていく感じだったが、
機長「オレも他の人もOKだと思うんだけどね。機械がOKにならないんだ」(ォィ)
機長「機体の氷を除去作業中。ところでもっと遅いはずの便が出て行っているんだけど、あいつらはどうやったんだろう」
といった案配で、どうやら最終的な原因は重い雪にあった模様。
入口の近くの席で、タラップが接続しっぱなしだったので、シカゴのすきま風が寒いのなんの。(でも眠かったのでとにかくうたた寝たかった。)
結局、当初の便よりも遅く出発。もっとも当初の便も遅れていただろうが。


西海岸の宿が乾燥していたので「ぉゃ」と思っていたのにこのすきま風に曝されたお陰で、体調がビミョーと思いつつ、疲労困憊していたので昨日はとにかく寝る。で今日起きたら案の定、風邪気味。
オマケに明日からは、大学から注意喚起のメールが来るほどの寒気らしい。出張前に減らしていた食料の在庫を補充して冬籠もり態勢を整備する。
23:59  |  身辺雑記  |  TB(0)  |  CM(2)  |  EDIT  |  Top↑

2009.01.09 (Fri)

San Diego

火曜からサンディエゴに来ている。
AALSの年次総会。
↑更新していない理由。


【2009/01/15追記】
当地からサンディエゴまで直行便はないので、往路はダラスで乗り換え。
ダラスでの接続時間は2時間半。ダラスで降りて空港のディスプレイで次のサンディエゴ便のゲートへ向かう。辿り着いて、思ったより早いなと思ってitineraryを確認すると、その便ではなく次の便で、ゲートも反対方向だった。「もっと早い便があるんじゃん」と思いつつ、予約した便のゲートへ向かう。早いほうの便に飛び乗ればよかった、ということに気付いたのはサンディエゴ到着後。

サンディエゴ空港のツリー 貝の意匠
空港はまだ“松の内”でしたw マリン・リゾートだけに貝の意匠
ちなみにバゲージ・クレームのトイレ(笑)

街の雰囲気は、「いかにも」な観光地だなぁ、と。
海。橋。 マリン・リゾート
マリン・リゾート
ペトコ・パーク コンベンション・センター
宿の部屋から見たペトコ・パーク 宿の部屋から別の方向。
正面が会場のMarriott。
そういう意味では「隣2軒目」なのだが、眼下のコンベンション・センターがやたらデカイので歩くと結構時間が掛かる。
200901100733000.jpg ヤシの木
街の様子はこんな感じ 南国(のリゾート)らしく、ヤシの木


で、去年にも増して脈絡もなく、しかもマイナー系のセッションをハシゴしていたので全体の様子は掴みにくかったのだが;
去年はお祭り気分に当てられて看取できなかった部分が今年は少し落ち着いて把握することができて;
議論の詰めは甘いな、と(笑) まぁ専門的に詰めた話は専門的な学会でやって、AALS年次総会はむしろどんなことが話題になっているか雰囲気を掴む場なのかな、と今年もお会いしたM先生と話していた。あと、人に会う機会w
それでも、本や論文でしか知らない有名人の顔を見たり、若手で「こいつできる」というパネリストも何人かいた。幾つかのセッションは"New Voices in ○× Law"などとしてペーパーを公募していて(*1)、教え始めて間もない若手教員=研究者の発表の場兼人脈作りの場になってるのかいな、とも思った。

妙に日本語が通じたのは今年も一緒。 もっとも身内の関係者が最大勢力だったわけだがw
前述の通り、ペーパーを公募しているセッションをプログラムで発見した際には事前に情報を入手して何か書いてみればよかったと思ったのだが(*2)、旧知のO先生は本当に報告していた。セッションの関係者のブログで知ったとのこと。そういう情報の入手の仕方もあるのか。
とあるセッションでちょっとお手洗いに抜け出して戻ってきたらA先生がいたのには驚いた。
極めつけは「?どこかで見た顔が。しかし何故ここに」と思ったら本当に当のS先生だった。ちょうどサンディエゴで研究休暇中とのこと。で、ステーキハウスに連れて行ってもらってA先生におごってもらう(多謝)


デモ
最終日、会場の前の道をデモってた。
LGBTの関係らしかったから、Prop 8の関係(*3)と思われる。

【関連】

AALS年次総会・その3・妙に日本語が通じた件 - アメリカ法観察ノート
AALS年次総会・その2・米国ロースクールの国際化 - アメリカ法観察ノート
AALS年次総会 - アメリカ法観察ノート
09:55  |  アメリカ法  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2009.01.05 (Mon)

Lochner-ism

いろいろと興味深い論点を含んでいる遣り取りだが、差し当たり一点のみ。
EU労働法政策雑記帳: 人権は国家に先在するわけではない
「現実には、今日的な労働法制ができる以前には、現代であれば基本的人権に反するとされるような条項を雇用契約に盛り込んで、その条項の履行を国家権力が強制するというような事態がごく普通にあったわけで、それが基本的人権に反するからとして、国家権力が履行を強制するどころか、逆にそのような経営者を規制するようになったのは、国家がそのような法規制を有し、実施するようになってからの話です。
実際、かつては、ストライキをやる労働者の方を国家権力が弾圧していたのに、今は不当労働行為制度によって労働者側を守っています。」
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2009/01/post-a37b.html
さらに踏み込めば、
20世紀初頭--といっても最初の3分の1--のアメリカ合衆国では、「基本的人権」に基づいた司法判断によって、政府による労働者保護の試みを妨げていた。 Lochner判決(*1)に代表される時期の連邦最高裁は、連邦憲法14修正のデュー・プロセス条項から導き出された「契約の自由liberty of contract」を絶対化して労働時間規制や最低賃金法や黄犬契約規制法といった労働保護立法を違憲無効としていた(*2)
連邦最高裁がこの態度を改めるのは、1930年代後半、後期ニュー・ディールの時期になってからである。

故にアメリカにおいて「司法積極主義judicial positivism」とは--"Lochnerization"などとも呼ばれて--悪口である。
そしてそのようなアメリカの経験に照らして、「基本的人権」と言えば切り札のように機能して望ましい社会状態が実現すると考えることに、自分は懐疑的である。(*3)

【関連】

保守からの銃規制違憲判決批判 - アメリカ法観察ノート
米国型違憲審査制についての覚え書き - アメリカ法観察ノート

テーマ : アメリカ合衆国 - ジャンル : 政治・経済

22:59  |  アメリカ法  |  TB(1)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2009.01.05 (Mon)

年賀状の見方

研究者は通常の人間よりライフサイクルが5~10年遅い。20代後半で仕事が見つかればラッキーなほうだ。
研究者は修行中に結婚するかさっぱり結婚できないかのどちらかだ、という仮説を持っている。但しサンプルは「オレの周りの人」w

Dai-Kubo Diary: Pleasure 2009
「最近、同級生からもらう年賀状は9割方子供の写真(ないし夫婦の写真)です。なんだか見せつけられているというか、何というか。」
http://daikubo.tea-nifty.com/daikubo_diary/2009/01/pleasure-2009.html
年賀状は、横に並べて見るのが面白い。
今年は「結婚しました」賀状が多いな、とか。
その次の年は「子供が生まれました」賀状が多い、とか。

それから、弁護士の奥さんは美人が多い気がする。「なぜか」なのか「やはり」なのかはともかく。
22:22  |  未分類  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2009.01.04 (Sun)

ソフトウェア特許の再生!?

特許、ソフトも保護対象に 大幅な法改正、特許庁検討 ビジネス-最新ニュース:IT-PLUS
「特許庁は特許法の大幅見直しに向けた検討に入る。「モノ」が対象だった特許の保護対象にソフトウエアなどの無形資産を追加。」
http://it.nikkei.co.jp/business/news/index.aspx?n=AS3S26044%2004012009&landing=Next
あーれーれーー??
ビジネス方法特許の終焉!? - アメリカ法観察ノート
「それと、ビジネス方法特許だけでなく、「ソフトウェア」についても言及されているのが気になる。ソフトウェアも(それだけでは)原則特許法の保護はなくなる、ってこと!?」
http://izw134.blog74.fc2.com/blog-entry-290.html
…まぁでも著作権の50年(オーバー)よりマシ!?

というかそれ以前に、「これから検討」っていうのだから特許庁の事務方が出してきた情報なわけだろうし、観測気球と受け取るのが正しいかな。「私的研究会」の先生方には外国の特許法の動向に詳しい先生も入るのだろうし。
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2009.01.04 (Sun)

「権利は義務を伴う」

以前書きかけてそのままになっていたエントリ。
リライトして別エントリの一部/枕にしようとしたのだが、長くなったので整備して独立したエントリとして上げておく。

権利と義務は本当にワンセット? - 発声練習
「権利と義務はワンセットだとするならば、我々が生来有しているとされる生存権に対応する義務は何だろう?」
http://d.hatena.ne.jp/next49/20080205/p1
「権利は義務を伴う」という法格言(?)(*1)だが、法律を専門的に勉強したことのない人は
アクターXはAという権利を持っている。故にXはBという義務も負うべきである。
というイメージで理解していることが多いと思う。
よく(右方面の)改憲論者が「現行憲法には国民の権利しか書いていなくてけしからん。国民の義務も明記すべきだ」などというのもこの類の理解を前提にしていると思われる。(*2)

この観念を、規範的要請として持つこと自体は別に否定しない。
(法)人類学的知見に従えば、互恵性reciprocityは多くの社会で見出される規範観念である。
そうした観念をincorporateしていない社会規範(法を含む)は、一般に受け容れられ難いだろうし、故に安定し難いだろう。(*3)

しかしこれは、法にどのような価値を盛り込むか、という話であって、法(学)内在的に出てくる話では、ない。
「権利は義務を伴う」とは、法(学)内在的には、
アクターXが権利Aを有するとは、アクターYが義務Bを負うことをいう。Yが義務Bを履行することにより、Xの権利Aは実現される。
ということを意味する。別にXが権利Aに見合った義務を負担している必要はない。
つまり、権利Aと義務Bとは別物ではなく、ある一つの事態をどちらの側から眺めるかということによる見え方の差に過ぎない。一つ具体例を出せば、民法709条は
(不法行為による損害賠償)
第709条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う
と、条文の字面は加害者の義務を書いているわけだが、この条文は通常、不法行為被害者の損害賠償請求を規定するものと理解される。

ここでのポイントは、義務者Yの存在である。つまりXの持つ権利Aだけを言挙げしても虚しいのであって、権利Aを実現するための義務者は誰か、ということを念頭に置かなければ意味がない(*4)
そしてこのことは、権利=法が実現される場・空間である訴訟/法廷の構造に由来する。すなわち、自らの権利を主張する者=原告は、誰に対して主張するのか、相手方=被告を特定しなければ、そもそも訴訟/法廷自体が成立しない。(*5)
19:36  |  アメリカ法  |  TB(2)  |  EDIT  |  Top↑

2009.01.04 (Sun)

ケンタッキーの十戒夫妻

Lawmaker in Kentucky Mixes Piety and Politics - NYTimes.com
By IAN URBINA
Published: January 3, 2009
"Tom Riner looks for God everywhere, and in places he does not find him, he tries to put him there...
[T]his unrelenting mission has also frequently taken Mr. Riner and the Kentucky legislature, where he has been a Democratic representative for 26 years, across the constitutional barrier between church and state." http://www.nytimes.com/2009/01/04/us/04louisville.html?emc=eta1
ケンタッキー州の、州政府関連庁舎で十戒その他キリスト教関連のディスプレイを掲げる立法を続ける、州議会議員の話。

「アメリカ社会」という話になるとどうしても宗教、特にキリスト教の問題にはぶち当たる。
ので数年前に政教分離の話を勉強し始めて見たが、半歩踏み込んだところであまりに大変そうだというので逃げ帰ってきた。

そうか、この人物が震源地だったのか。以前に十戒の展示関連の紛争について調べた際にはそこまで調査しなかった。
記事中でも言及されている十戒の展示の事件はこれ:
McCreary County, Ky. v. ACLU of Ky., 545 U.S. 844, 125 S. Ct. 2722 (2005).
十戒関連初の先例とされるのが
Stone v. Graham, 449 U.S. 39, 101 S. Ct. 192 (1980).
だが、そうか、この事件も彼の奥さんが関与していたのか。。。

テーマ : アメリカ合衆国 - ジャンル : 政治・経済

15:34  |  アメリカ法  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2009.01.01 (Thu)

まわるまわるよ 時代はまわる

あけましておめでとうございます。
フィラデルフィアは東部時間なのに対し、当地は中部時間。去年より1時間遅れです。

日本も世界も昨年は大荒れでした。現在も打開策は見当たらず閉塞感を感じる向きは多いかと思います。

経験上、私は世の中に対する自分の感覚はそれなりに信頼しているのですが;
確かにある種の絶望があります。こんな様子じゃあいつまで経っても閉塞したままだよね、と。

ただ、楽観というのともちょっと違うのですが、絶望はないんですね。
短期的な変化に右往左往するのではなく、自らの軸を保って、泰然自若と構える。
そして着実に自らの分=自分を果たしていく。
それしかないだろうし、そうすれば道は自ずから開けるだろう、と。
仮に開けなかったとしても、それは“自分”であって、それを引き受けることに悔いなくありたい。
そんな時代もあったねと
いつか話せる日が来るわ
あんな時代もあったねと
きっと笑って話せるわ
だから今日はくよくよしないで
今日の風に吹かれましょう


9月に一時帰国した際には更新頻度が著しく低下してブログ存続の危機でしたが、11月、12月と少しずつペースを戻してきました。ぼちぼちと書いていきます。

検索経由で来ている方もいらっしゃるようですが、時々特定の事件名での検索が集中している時期があります。ひょっとすると大学の授業か何かでレポート課題が出て、資料(コピペ元!?)を探しているのかしらん、などと推測(邪推!?w)してしまいます。結構独自説も書いていますからね。もちろん自分的にはそれなりに根拠と自信を持っているつもりですが、こんな内容を書かれたレポートを見て担当教員は目を回すのではなかろうか(笑)


2~3月にDTIブログからFC2に引っ越して、両者はシステム的にはかなり似通っていたのですが、微妙に違った点の一つにブログ拍手機能があります。
あまり考えずにとりあえず残しておいたところ、ニッチなテーマで細々と書いているブログにもかかわらず時折拍手を下さる方がいらっしゃって、励みになります。
いろいろ考えて気合いを入れて書いたエントリに拍手が付くとメッセージが伝わったようで感謝です。あまり考えずに書いたつぶやきエントリに拍手が付くと、こういうことにピンとくる人もいるんだと思います。

FC2のデフォルト機能だと全体を一覧することができないのでそのうち整理してみたいと思っていたのですが、ちょうどいい区切りなので2008年分を数えてみました。

11拍手
popular constitutionと「教育」 - アメリカ法観察ノート

7拍手
カリフォルニア同性婚禁止違憲判決 - アメリカ法観察ノート

6拍手
5件
哲学イルヨ - アメリカ法観察ノート
Versions of Democracy - アメリカ法観察ノート
2M - アメリカ法観察ノート
retribution / revenge - アメリカ法観察ノート
Firefox 2.0.0.8 - アメリカ法観察ノート

5拍手
2件
愛国心概念の空虚さ - アメリカ法観察ノート
MicrosoftのYahoo買収と独禁法の域外適用 - アメリカ法観察ノート

4拍手
システムと「個人」の「過失」 - アメリカ法観察ノート【書評】大屋雄裕『自由とは何か』 - アメリカ法観察ノート等、13件。

3拍手
ヴォランティアの成立し得る空間 - アメリカ法観察ノート等、13件。

以下散票。

今日は倒れた旅人たちも
生まれかわって歩き出すよ(*1)

本年もよろしくお願い申し上げます。

テーマ : ブログ - ジャンル : ブログ

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