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2008.03.14 (Fri)

retribution / revenge

論文を読んでいたらNozickが報復・懲罰retributionと復讐・仕返しrevengeの異同を整理していたのにぶち当たった(*1)(*2)。へぇと思ったのでメモ。
報復・懲罰 retribution 復讐・仕返し revenge
(1) 違法行為(wrong)に対して為される 損害(injury)に対してであれば、必ずしも違法行為に対してでなくとも為され得る
(2) 違法行為の度合い(seriousness)に限定される 内在的限界はない
(3) 非人格的/非個人的(impersonal) 人格的/個人的(personal)
(4) 必ずしも感情的満足(emotional satisfaction)をもたらすとは限らない 必然的に満足感を追求して遂行される
(5) ルール(rule)によってコントロール(govern)される、すなわち報復的行為は一般化/普遍化可能(generalizable)でなければならない 純粋に、義務を越えたもの(supererogatory)である、すなわち事例Aで復讐を遂行した者も同様の事例Bで復讐を遂行する義務はない

なぜ「へぇ」と引っかかったかと言えば、近年の日本の犯罪や違法行為をめぐる言説に対する違和感が、両者を区別することで整理できるように思えたからだ。

例えば、医療行為において、医師としてはやるべきことはやったと思ったが、結果的に不幸な帰結になったことに対して、患者側が不満を抱え訴訟などに至る、という状況。
患者側には損害(injury)の発生=違法行為(wrong)という観念があるのではないか。

あるいは、被害者/遺族の(復讐)感情の刑事司法における取り扱い。
刑事司法というのは規制すべきと社会的に考えられた行為に対するリアクションであって、そこでは「被害者」は後景に退く、というのは近代型刑事司法を理解している法律家等の専門家であれば当然だと了解しているし、実際、(従来の)制度もそのように組み立てられている。
しかしそこで被害者感情・遺族感情を違法行為に対する制裁について前面に出してくるとすれば、報復(retribution)を念頭に組み立てられている制度に復讐(revenge)が侵入するという混交が発生しているのではないか。
しかし、違法行為の度合いに限定され((2)左)、必ずしも感情的満足をもたらすとは限らない((4)左)報復を念頭に組み立てられた刑事司法制度では、内在的限界のない((2)右)満足感((4)右)がもたらされることはない。こうした特性が最近の違法行為に対する過剰反応や厳罰化の要求につながっていると考えられそう--だが求め得ぬものを求めているのだとすれば、いつまで経っても満足に至ることはない。(*3)

他方で、被害者・遺族が「再発防止」を訴えるのは普遍化((5)左)の主張とも位置づけられ、一筋縄でいかない。

【関連】

死刑:被害者感情論 - アメリカ発祥の地でアメリカ法を思考する
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テーマ : 哲学/倫理学 - ジャンル : 学問・文化・芸術

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2008.03.14 (Fri)

アニメによる地域振興

北日本新聞社 富山のニュース
アニメ「true tears」舞台でファン交流 南砺・城端駅にノート
http://www.kitanippon.co.jp/contents/knpnews/20080313/10685.html
富山県議がアニメ「true tears」の県内放映に向けて尽力、放映実現へ - GIGAZINE
http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20080314_true_tears/
シアワセの素
城端が舞台のアニメ 高い評価
http://shiawasenomoto.blog.nanto-e.com/detail-22010.html
1月クールの(深夜)アニメ「true tears」が高い評価を受けているということで、富山の地元にはファンが訪れ、地元側も来訪者を歓迎している様子。
1月クールということで当然観ているわけがないし、原作も知らない。ギャルゲー?…らしい。18禁ではないようだし、原作とアニメの関連も薄いとのことだが。

アニメの影響で来訪者が増えたことをきっかけに地域興しというと、「らき☆すた」-埼玉県鷲宮町の件が記憶に新しい。恐らく地元自治体の担当者も研究しているのではないか(*1)
しかしアニメと特定するから目新しく感じるだけで、同様の現象自体は映画やTVドラマ(*2)ではよく見られる現象だし、それを期待して自治体が映画等のロケを誘致するというのもよく聞く話。

アニメの影響で人が集まることがネガティヴに評価されなくなったとすれば(*3)、文芸作品一般の一種として評価の対象とすべきだという持論の私からすると結構なことだということになる。
しかしそれも作品次第で、例えばアニメ作品のほうにはそういう描写が含まれていないとしても、原作が18禁だったらどうか、とか(今回は違うわけだが)(*4)。「らき☆すた」の場合もまったり系4コママンガを原作にアニメもその延長で制作されたから一般人も安心してミコシとして担げたわけだけれども、これが痴情のもつれからノコギリとナイフを握り締めたバトルが繰り広げられるような作品では絶対無理なわけで、まずはここにハードルがある。(*5)

他方、映画やドラマの場合であれば単にロケしてもらえばいいだけなのに対して、、アニメの舞台になるのは難しい。特に原作付き作品の場合だと、原作で舞台として取り上げられてから、アニメ化の題材とされるまでの距離が遠い(*6)(*7)
さらにそれがアニメ作品として話題を呼ぶヒット作となるかとなると、丁寧に制作されていることは前提条件とした上で、幅広い視聴者にツボる何らかの要素を持っている必要がある。これはかなり偶然と運に左右される。

というわけで、鷲宮町や富山県のように既にヒットした作品の僥倖にあやかれるならばともかく、そうでない場合に「アニメで町興し」というのは至難の業となりそうだ。


もっとも、地元自治体ができることは皆無ではない。「true tears」の場合、制作会社が富山にあることから舞台として取材されたという要素があるようで、かようにアニメ制作会社を地元に誘致するというのは(雇用創出という面も含めて)意味のあることだろう(*8)

あとはもちろん、街自体が個性的だから舞台として選ばれる(*9)ということはあるだろうが、こういう場合は放っておいても観光客は集まりそう。(*10)

テーマ : true tears - ジャンル : アニメ・コミック

20:54  |  日本社会  |  TB(0)  |  CM(1)  |  EDIT  |  Top↑
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