2007年12月 / 11月≪ 12345678910111213141516171819202122232425262728293031≫01月

--.--.-- (--)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--:--  |  スポンサー広告  |  EDIT  |  Top↑

2007.12.28 (Fri)

みくみくになるのかな

ネット速度の基準では出遅れだが、初音ミク騒動が無事に(たぶん)収束したということで。ひょっとすると鏡音リン・レン発売前に決着をつけようという配慮もあったかも知れない。
クリプトン | VOCALOID2特集
http://www.crypton.co.jp/mp/pages/prod/vocaloid/
ドワンゴによる初音ミクオリジナル曲登録問題まとめ(γ) - トップページ
http://www32.atwiki.jp/mickmiku/

事件をリアルタイムで追っていたわけでもないけれども、自ずと情報は目に入ったもので、一言。

今回の事件の特徴はいくつかあって
  1. 権利ビジネスを行う企業が、実際にはクリエータを無視or軽視していたことが明らかになった
  2. クリエータの側に明示的にポジショニングする企業が現れた
  3. クリエータが、二次利用を含むユーザの利益を意識して行動していた
とりあえずこんな感じ?
いずれも個々には以前から(少なくともぼんやりとは)認識されていた事項だとは思うが、これが明確に表に出てきた上に、組み合わさっていたところが特徴的だったと思う。

(音楽業界の?)権利ビジネスのあり方

「クリエータのために」を自称する企業が本当に権利者のために(あるいは文化の発展のために)行動しているかについては以前から疑問は呈されてきた。
これまでのところはミュージシャンが不利益を被っても業界の内部でやっていくためにはあまり大きな声を上げられなかったのが、今回は必ずしもそうする必要のないアマチュア・ミュージシャンが巻き込まれたことで、問題が焙り出された面があろう。

ドワンゴ側は当初「音楽業界の慣行」を根拠に自らの立場を正当化しようとした模様である。
これに対しては「他の業界やアマチュアに自らの業界の慣行を押し付けるのは不適切、説明不足」との指摘もある。(*1)(*2)
担当者自身は自らの適切だと理解する行為規範に従って行動していたという意味では、faultはさほど大きくなかったと言えるのかも知れない。しかし、その行為規範自体が相手方や第三者からどう見えるか、という視点を欠いていたという点では想像力不足は否めない。さらに言えば、そうした行為規範の存在を曝け出してしまったという点で、実はクリエータを軽視するという業界の体質ないしシステムを明らかにしてしまったとも評価できる。

クリプトン社のポジショニング

ソフトウェア「初音ミク」の発売元のクリプトン社が自らの商標等の権益を守ろうとするのは当然であろう。
しかし、クリプトン社(の側で対応に当たった伊藤社長)は、自らの権益ではないにもかかわらず(*3)、クリエータの権益を擁護する立場を明示的に取っていたように見える。
この点、クリプトン社はDMPソフトを売っている企業である以上、その顧客である(アマチュア)クリエータ側に立つのは資本の論理からして当然との理解(*4)の一方で、同社伊藤社長の来歴からすると本気でDMP文化の願っているとの指摘もある。

このエントリではいずれであるかは問題にしない。
ともかくは伊藤社長、頑張れ、ということで。札幌の企業でもあるし。

ここでは一般化するためにも、仮に前者だったとして、話を膨らませる。でもそれもネガティヴに評価されるべきではないだろう、と。
市場の機能不全や(本件のように)資本のオーボーが出てくると、サヨク系な発想をする人はすぐに「だから市民社会による云々」と始めてしまう。それはちょっと違う、そう考える必要はないのではないか、と。

アメリカのコンテンツ・ビジネス法の本を読んでいて「南北戦争」なる語にぶつかったことがある。ハリウッド等があってコンテンツ産業の集積するカリフォルニア州の“南”と、シリコン・バレーに集積するIT産業を持つ“北”とが、著作権の強化等をめぐってロビイング合戦等を繰り広げている、という話。もちろん前者が権利強化を主張するのに対し、後者がコンテンツの自由利用を推進することでそのハード・ソフトの売り上げ向上を目指している。後者もユーザの利益自体を目標としているわけではないが、結果としてユーザの利益を擁護するポジショニングをすることになる。

本件を見て、この話を思い出した。「市民社会」論に飛びつかなくとも、資本の論理の内部で、結果的に“市民”の権益が守られることはあり得る。しかるべき資本の配置があれば??一般化すれば、十分に多様でpluralisticであるという条件の下では。(*5)(*6)

Web2.0的クリエータ

(*7)そして、クリエータ達がオーディエンスの権益を意識して行動していたのも印象的である。具体的にはJASRAC管理下に入ることで二次利用が制限されることを懸念する声が相次いで上げられている。
これは、クリエータ自身が他者の作品の二次利用をしている、という行動様式から来るものであろう。少しずつ手を加えていくことで磨いていく。そうしたほうが面白い、ということを身を以って了解している。相互利用はフリーライドというよりは、むしろ相互のリスペクトをもたらしている。(*8)

決着と今後

さて、一応は落ち着いた。
ニコニコニュース‐着うた配信及び今後の協業に関する共同コメント
http://blog.nicovideo.jp/niconews/2007/12/000756.html
着うた配信及び今後の協業に関する共同コメント:メディアファージ事業部 ブログ
http://blog.crypton.co.jp/mp/2007/12/post_63.html
落ち着き所であるこの文書を見て思うことは、「これは何?」ということである(汗)
そりゃもちろん和解契約であるわけだが(1.項参照)、契約当事者はDMPとクリプトン社。両者間の権利義務関係であればこの和解契約で取り扱うことができる。

しかしこの文書には第三者たるクリエータの権利についても規定がある。これは一体いかなる法的性質を持つのか。第三者のためにする契約?unilateral contract?

具体的なシチュエーションを想定すると、4.(6)項はDMPがクリエータに楽曲利用を申し入れる場合の条件を規定している。それでは実際にDMPがこの条件を満たした申し入れをしなかった場合(例えばJASRAC以外の権利管理手法の可能性を説明しなかった場合)、クリエータはいかなる主張をなし得るのか?クリエータはこの条項を援用できるのか?援用できるとしてその効果は?(ライセンス契約不成立?損害賠償?)謎だらけである。

4.(6)項以外にも第三者の権利に関する規定はある。しかしこれらは(「確認します」という文言にもなっているが)この文書がなくとも著作権法上当然にクリエータ等に帰属している。
この点をわざわざ明らかにしなければならなかったことを裏から意地悪く見れば、業界が如何に法律上当然の権利の帰属を軽視してきたかの証左とも評価し得るかもしれない。
4.(6)項についても、民法上の説明義務等についての考え方如何では、これまた当然のことを規定したと位置付けることになるのかもしれない。(*9)


資本主義社会の構造とも結合して、供給者とユーザとが分離したモダンな状況から、ユーザ=クリエータの相互参照というポスト・モダンな環境へ。
それに応じた法制度へ。
この事件はそのエポックを画する出来事になるのか。あるいは一時の現象に終わるのか。評価は後にならないと確定できないが、希望的観測を込めて前者であると期待したい。
故に活字化して記録しておく価値があると思うのだが。詳しい弁護士さんとか、ジュリストあたりに書いてくれないかな。
スポンサーサイト

テーマ : 法律全般 - ジャンル : 政治・経済

23:38  |  日本社会  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2007.12.28 (Fri)

$1コイン

冬休みなので5時に図書館を追い出される。
続きをしようとコーヒーショップへ行ってコーヒーを買おうとする。

店員(20代前半くらいの黒人のお姉さん)「これは何だ?」
オレ:何だって…「1ドルコインだと思うが」しかも地下鉄の駅でトークンを買った時に機械が吐き出したやつだから真正だと思うぞ。
店員「ちょっとマテ」と言ってバックスペースへ引っ込む。
まぁすぐに戻ってきてお釣をくれたが。

何でお宅の国のお金のことをガイジンが説明せにゃあかんねん(笑)
20:34  |  身辺雑記  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2007.12.28 (Fri)

虎よ、虎よ!

サンフランシスコの動物園でシベリア・トラ(メス・4歳)が脱走(?)、1名(男性・17歳)死亡、2名(いずれも男性・18歳と23歳)が重体。
警官隊によりトラは射殺。
San Francisco Police Look for Clues Indicating How Tiger in Fatal Attack Escaped - New York Times
By CAROLYN MARSHALL
Published: December 27, 2007
http://www.nytimes.com/2007/12/27/us/27tiger.html?th&emc=th
Death at San Francisco Zoo Is Probed - washingtonpost.com
Two Brothers Also Injured in Christmas Attack; Police Investigating Animal's Escape
By Marc Kaufman and Sylvia Moreno
Washington Post Staff Writers
Thursday, December 27, 2007
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2007/12/26/AR2007122600141.html?wpisrc=newsletter
このトラが"cat"と表現されているのが何とも。

不法行為法の動物占有者の厳格責任を思い出す。
Rest. (2d) of Torts § 507 Liability of Possessor of Wild Animal

動物園水族館協会(Association of Zoos and Aquariums)
の認証した動物園で動物絡みで死亡事故が起きたのは初めてらしい。
というか、認証(accreditation)というのは教育機関以外でも使われるのだと今更ながら知る。

テーマ : アメリカ合衆国 - ジャンル : 政治・経済

00:26  |  アメリカ法  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑
 | BLOGTOP | 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。